障害年金のご相談を受けていると、「障害年金をもらったら、老後の年金がもらえなくなるのでは」という心配の声をよく耳にします。今回は、そうした不安を抱えながらも、請求までたどり着いた事例をご紹介します。

(ご本人が特定されないよう、内容の一部を変えています。)

ご相談のきっかけ

ご相談者は50代の男性です。会社員時代に職場のストレスから心の病気を発症し、長く通院を続けてきました。休職や復職を繰り返した後に退職し、現在はご家族の支えを受けながら療養されています。

ご家族から「障害年金というものがあるらしい」と聞き、当事務所にご相談いただきました。

障害年金とは

障害年金は、病気やけがで生活や仕事に支障が出たときに受け取れる公的な年金です。高齢者のための年金と思われがちですが、20歳以上であれば、現役世代でも受け取ることができます。

対象は手足の障害だけではありません。うつ病などの精神の病気や、がん、糖尿病なども含まれます。

診断書の準備に時間がかかりました

障害年金の請求には、医師に書いてもらう「診断書」が欠かせません。今回は、数年前の状態にさかのぼって請求する方法を選んだため、当時の状態と現在の状態、2枚の診断書が必要でした。

ところが、長く通っていた医療機関の事情で、診断書の作成に時間がかかってしまいました。結局、ご相談から請求までに半年以上かかっています。

医療機関のカルテには保存期間があります。昔の診断書が必要な場合は、できるだけ早めに動くことが大切です。

「将来の年金がもらえなくなるのでは」というご不安

診断書を待っている間、ご相談者から何度も「やっぱり申請をやめたい」とご連絡をいただきました。理由をうかがうと、「障害年金をもらうと、将来の老後の年金がもらえなくなるのでは」という心配でした。そのたびに、次のことをお伝えしました。

① 今はまだ、老後の年金を受け取る年齢ではありません

老後の年金(老齢年金)は、原則65歳から受け取るものです。今受け取れる可能性があるのは障害年金だけです。また、障害年金を請求しても、将来の老齢年金を受け取る権利(受給権)がなくなるわけではありません。

② 65歳になったら、有利な方を選べます

年金は「1人1つ」が原則ですが、これは「どちらかを選ぶ」という意味です。障害年金を受けていても、老後の年金の権利がなくなるわけではありません。65歳の時点で、障害年金と老齢年金のうち有利な組み合わせを選ぶことができます。

③ 障害基礎年金2級は、老後の基礎年金の満額と同じ金額です

障害基礎年金2級の年金額は、40年間保険料を納めた場合の老後の基礎年金(満額)と同じ金額です。また、障害年金には税金がかからない(非課税)という特徴もあります。

ご不安が強かったため、お電話で何度も、粘り強くご説明を重ねました。

結果

無事に障害年金2級が認められ、毎月の年金に加えて、さかのぼった数年分の年金がまとめて支給されました。

ただし、さかのぼって受け取れるのは最大5年分までで、それより前の分は時効で受け取れません。もし途中で申請をやめていたら、さかのぼった分も、これからの毎月の年金も受け取れないところでした。

障害年金を検討されている方へ

障害年金は制度が複雑で、書類の準備にも時間がかかります。「自分は対象になるのだろうか」「将来の年金に影響しないだろうか」と迷っているうちに、時効で受け取れる額が減ってしまうこともあります。

また、60歳以降に老後の年金を早めに受け取る「繰上げ受給」をすると、その後は障害年金を請求できない場合があります。繰上げを考えている方は、その前に一度ご相談ください。

当事務所では、障害年金の請求をお手伝いしています。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も受け付けておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

(参考)障害年金申請サポートのページはこちら

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宮下社会保険労務士・行政書士事務所

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